<問題意識:現状の見通しの悪さはどこから来るのか?>
小泉政権以降、2つの内閣が交代して、麻生内閣となった。永田町、霞ヶ関では「反改革」が1つの大きな流れになっているように見えるけれど、日本の経済社会の長年の課題がここにきて急に変わったようには思えない。
そして、今後2、3年間、外需依存が難しいだろうことは、この10月で明確になってしまったようだ。
90年代の経験をあまり踏まえずに株式を大量に持ち続けてきた邦銀や、三角合併による外資参入や産業構造改革をとりあえず回避するべく株式持ち合いを進めてきた上場企業は、今回の株式大幅下落で払うべきものを払うことになった様子。
非正規雇用を増やして乗り切ったつもりでいた企業も、所得伸び悩みによる内需不足によって、外需が期待できなくなった今、先行きは明るくなくなったようだ。
他方で、今回の金融危機の結果、先端的な金融サービスについて規制手法を改善すべきだろうけれど、これは、そうした分野に積極的に進出していなかった邦銀等にはあまり関係のない話のはず。
そして労働規制等での予定されている自由化見直しは、景気に中立的であってくれれば良いとしても、内需拡大にプラスになるとはなかなか考えられず、さらなる官製不況になる可能性さえある。
つまり、現時点の邦銀や日本企業の苦境は、構造改革の行き過ぎによるものというよりは、構造改革を深化させなかったリスクが顕現したものと考えた方が良いはずなのに、政治の向かおうとしている方向はそうした見方とは整合していないようにみえる。
とすれば、直近のような状況で、「反改革」の方向で国内が一致しているように見えるのは、何故なのか?その先に何を見いだした上での選択なのかが、筆者にはうまく理解できていない。
日本にとって長年の課題となっている諸点を改革するには、相当な指導力が必要となるはず。オバマ氏がアメリカの抱える諸問題を改革するのに必要とするそれにも、劣らないだろう。
そうした中で、日本の政治家が、たとえばオバマ氏が今回の大統領選で提示したような「変革」を、次期総選挙で提案・約束する訳にはいかなさそうなのは、何故なのか?
報道などからは、『日本にはもう「変革」は要らない』といった声さえ聞こえてきそうなのは、何かよほどの訳があるのだろうか?
いささか大きすぎる問題意識ではあるけれど、どうにも見通しが悪くて困っている、というのが率直なところだ。もちろん、筆者の不勉強も原因のはず。
そこで、いつになるかは分からない総選挙に向けて、最近の日本の政治状況と雇用情勢の2つの分野に絞って、本や資料やデータを見つけて気づいたことを、自分自身にとっての見通しを付けるために、何回かに分けて書いていってみたい。
<当面の進め方:まず政治の現状を大掴みに捉えたい>
まずは、政治状況の方から進めてみる。書店で読みやすそうに思えた、野中尚人『自民党政治の終わり』を、まず読んでみた。
のべ5日ほどで読了。ついでに、5月頃に読み始めて第4章以降が未読になっていた、ジェラルド・カーティス『政治と秋刀魚』も読み終えることが出来た。おかげ で、現在の状況をよりうまく把握するための材料はかなり得られた気がする。
この分野では、後は、飯尾潤氏の『日本の統治構造』と『政局から政策へ』を読んでみる予定。前者は昨秋に1章まで読んで積読になっていた。後者を昨日から読み始めたけれど、こちらの方が読みやすそうだ。
<『自民党政治の〜』の本としての印象:精密さよりも分かりやすさ>
まず本としての感想を端的に。飯尾潤『日本の統治構造』と比較すると、飯尾本が現時点をクローズアップした精密な静止画だとすれば、野中本は、江戸期まで視野に収めた視点からの動画といえるのではないか?精密さよりも分かりやすさを優先
している、といった印象だ。
動画、つまり野中本では、変化・変動のダイナミズム・流れを捉えることに力点が置かれていると思う。
飯尾本でももちろん変化は書かれているけれど、飯尾氏の力点は、分かりやすいパースペクティブの提示よりも、新書のスペースの中に如何に書くべき事項を凝縮するか、といった方向にあるようにと感じられた。個人的には、そうした様子が、飯尾本を読みづらく感じさせている気がする。
既に、現在の日本政治の場に働く諸力やこれまでの経緯について十分に知っている人にとっては、飯尾本の細部にわたる稠密な記述はすんなり受け止められるのかもしれないけれど、私のような者には、まず野中本のような時間軸も含めたパースペクティブを示してもらった方が格段に分かりやすかった。その点で野中本は非常にありがたかった。これで飯尾本にも安心して取りかかれそうだ。
次のエントリーでは、上記の問題意識からみて野中本が提示しているポイントと、カーティス本との比較などを書いてみたい。
#本日の英語の運動: All-in-oneはCDを半分聴いて、昨晩から朗読を再開。今回は朗読に筆写を混ぜていく。87文型は1セット分終了。朗読の所定回数が終わったので、以降はCDを使ってシャドーイングとディクテーションをやっておきたい。ExEはPart1の不正解箇所をさらった。今晩からPart3に入ってみる。
#Podcast は、一通り聴いている。月曜だったか、BusinessWeekでは、マイケル・ポーターが『金融危機への対応も大事だが、次期大統領には、アメリカの今後の競争戦略についても早急に考えてもらいたいものだ』といった内容を話していたのが、面白かった。
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